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レーザー彫刻で生まれ変わる木材 -アイデアで価値を付加する-





目次

 
 



はじめに

一般に「CO2レーザー」と呼ばれる二酸化炭素を媒体とした数十ワットのレーザー加工機は、アクリルや紙、皮革など金属以外の素材と相性が良いのが特徴です。今回はその中でも「木材」に注目し、レーザー加工機「HAJIME CL1 PLUS」を使用してレーザー彫刻をしていきたいと思います。素材の選定から加工までの流れ、最後にちょっとしたコツなどもご紹介しますので是非最後までご覧ください。


40W CO2レーザー搭載。

安全基準クラス1に準拠した安全で使いやすい

卓上型レーザー加工機「HAJIME CL1 PLUS






レーザー彫刻用の材料選び

一口に木材といってもその種類は数多くあります。

サクラ、ヒノキ、スギ、ヒノキ、イチョウなど天然のものや合板と呼ばれる複数の板を貼り合わせたもの、細かくした木材チップに合成樹脂を加えて成型したMDFなど。木材の色や固さなどでレーザー彫刻の仕上がりは変わってきますが、今回は「桐の板」にレーザー彫刻による付加価値を付け、生まれ変わらせます。




「桐」はゴマノハグサ科の広葉樹で、軽く、断熱性・調湿性・防虫性に優れ、昔からタンスなどの資材として重宝されてきました。そんな「桐」ですが、色は薄いベージュでレーザー彫刻をすると彫刻した(焦げた)部分とのコントラストがはっきり分かれて非常に見栄え良く仕上がります。








木材にレーザー彫刻!準備① ~データ編~

実際の作業に取りかかります。まずドローソフトの定番であるAdobe®社のIllustrator®で頭の中にあるイメージを具現化していきます。今回は「(自称)おしゃれなメニュー表」を作成していきます。


Adobe IllustratorはAdobe System Incの商標または登録商標です。



データ作成のポイントは、


・彫刻したいところは黒(のベタ)

・カットしたいところは赤(の線)


この2点で、とても簡単です。

今回、カットはしませんのでデータをすべて黒(R0 G0 B0)で塗っていきます。




木材にレーザー彫刻!準備② ~素材編~

木材にマスキングテープを貼りつけていきます。そのままレーザー加工しても良いのですが、マスキングをすることで彫刻のエッジがシャープになりきれいに仕上がります。

できるだけマスキングは重ねないで隙間ゼロで貼るのがポイントです。





いざ木材にレーザー彫刻!

緊張の一瞬。

木材をセットして、原点を決めて、設定を選んで…スタートです!





順調に彫刻しています。

レーザーが当たったところのマスキングテープは焼けてなくなっていきます。





彫刻完了しました。所要時間は18分ほど。

残ったマスキングテープを剥がしていくのですが、ここはちょっと根気のいる作業となります。細かいところなどわずかにマスキングが残っていますので丁寧に剥がしていきます。





どうでしょう…いい感じに仕上がったのではないでしょうか!木の焦げた感じが素敵な雰囲気を演出しています。おしゃれなカフェに置いたらものすごく映える気がします!笑

アップで見てみるとかなり細かいところまで再現ができています。HAJIMEのレーザー径は標準レンズで0.08mm、細かい作業は得意です。





木材にレーザー彫刻!ちょっとしたコツ

今回はレーザーを当てる面にマスキングをして加工をしました。マスキングをすることで彫刻した部分のエッジがきれいに仕上がります。

では、「マスキングしないとどうなるの?」ということでマスキング無しで彫刻したものと比較してみます。



マスキングをしていない方は彫刻した文字のエッジに焼けた跡(ヤニ)が広がっているのがお分かりいただけますでしょうか。今回は、標準レンズで文字をしっかり識別できるようにこのヤニを除く事前準備をしましたが、デザインによってはよい雰囲気になったり、こちらのテイストの方が好みの方もいらっしゃるかもしれませんね。


この「ヤニ」の広がりを抑える「アシストコーンレンズ」というカット用のオプションレンズもご用意しています。こちらはまた別の機会にご紹介できればと思います。


 

※レンズの焦点やレーザーパワー、スピードによって仕上がりは変わってきます。条件によっては発火する場合もありますので、加工中は決して機械のそばを離れず、素材ごとに適した設定を確認しながら加工をおこなってください。

 


まとめ

いかがでしたでしょうか。

桐の板が見事に(自称)おしゃれなメニュー表に生まれ変わりました。普段何気なく目にしてるものや使っているものに、ちょっとしたアイデアの付加価値をつけることで本来の価値以上のものに生まれ変わらせることがレーザー加工機を使用することで可能になります。今回は桐の板にレーザー彫刻を施しましたが、いろいろな木材に彫刻することで木札や名入れなどさまざまな用途へ活用することができます。この記事をご覧いただいて「ひらめいた!」という方がもしいらっしゃいましたら是非一緒にカタチにしてみませんか? また、「一度見てみたい!」や「こんな素材にやってみたい!」などございましたら是非弊社までお問い合わせください。



~アクリルのレーザー加工 コラムのご紹介~



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執筆者紹介

 

七里 聡

1993年 桜井株式会社に入社。

自社で販売するシステムのメンテナンス部隊で機械に強くなった傍ら、Illustrator®を駆使して社内外のデザイン業務を担う。現在はソリューション営業部で日々Webマーケティングの勉強をしながらWeb製作に身をささげる。夢はザック一つで日本縦断旅行をすること

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