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レーザー加工で違いが出るアクリル板の種類とは!?アクリル板の基礎知識とレーザー加工のコツ


目次

 
 



1.はじめに

レーザー加工は、レーザーを用いてさまざまな素材を加工する技術です。その中でもアクリル板はレーザー加工との相性も良い素材として知られていますが、実はアクリル板には製造方法の違いにより大きく分けて「キャストアクリル」と「押し出しアクリル」の2つの種類があるのをご存じでしょうか?この記事では、これらアクリル板をその製法やレーザー加工した際の仕上がりに違いが出るのかなど詳しく見ていきたいと思います。

また、最後にアクリルをレーザーできれいに加工

するちょっとしたコツをご紹介します。


※この記事ではCO2レーザーのことを指します。


2.キャストアクリルとは

2.1製造方法

 キャストアクリル板は、液状のアクリル樹脂を型に流し込み、ゆっくりと固めて作られるアクリル板です。この製造方法により、分子構造が緻密で均一になり、高い透明度と耐候性を実現しています。




2.2特徴

・高い透明度:ガラスのような透明感があり、奥行きのある作品に仕上がります。

・優れた耐候性:紫外線や湿気に強く、屋外での使用にも適しています。

・熱変形が少ない:レーザー加工時の熱による変形が少なく、寸法が安定しています。

・彫刻面が白くくっきりと仕上がり、文字やデザインが鮮やかに浮かび上がります。


彫刻面が白くはっきり残るので、写真などを彫刻したノベルティ品や名札などの製作に適しています。




3.押し出しアクリルとは

3.1製造方法

押し出しアクリル板は、アクリル樹脂を高温で溶かし、ローラーの間を通すことで連続的にシート状に成形されたアクリル板です。キャストアクリルに比べて製造工程が簡素なため、コストを抑えることができます。



3.2 特徴

・コストパフォーマンスが高い:キャストアクリルに比べて価格が安価です。

・加工しやすい:柔軟性があり、曲げ加工や熱成形が比較的容易です。

・レーザー彫刻すると、キャストアクリルほど白くならず、透明感のある仕上がりになります。

彫刻はもちろん、曲げ加工や、溶剤に溶けやすい性質を持っていることからアクリル用接着剤を用いてのケースや什器製作などに適しています。




4.アクリルをきれいに加工するためのコツ

4.1 レーザーが当たる面の保護紙は剥がさない

 新品のアクリル板は両面に保護用の紙が貼られているケースが多いと思いますが、レーザーで加工する際は、裏面のみ剥がして表面はそのままにしておきます。そうすることで、レーザーで削られたアクリルの粉塵などが表面にこびりつくのを防ぐことができます。加工が終わったら、保護紙はガムテープなどで剥がしましょう。












4.2 ちょっと浮かす

 ハニカムテーブル上で切断をする場合、直に置いてしまうとハニカムに反射したレーザーがアクリル表面を傷つけてしまいます。そこでハニカムとアクリルの間にゲタを置いてちょっと浮かせることでレーザーの反射を回避することができます。





 

※レンズの焦点やレーザーパワー、スピードによって仕上がりは変わってきます。条件によっては発火する場合もありますので、加工中は決して機械のそばを離れず、素材ごとに適した設定を確認しながら加工をおこなってください。

 


5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

レーザー彫刻機はMDF・皮革・木材・フェルト・アルミアルマイトなど様々な素材にオリジナルの意匠をデザインできることが最大の魅力です。その中でもレーザーと相性の良いアクリルにスポットを当て、その特徴や仕上がりなどをご紹介いたしました。一口にアクリルといっても製造方法により仕上がりに違いがでることがお分かりいただけたと思います。この記事がこれからアクリルを加工してみたい!という方の参考になりましたら幸いです。






執筆者紹介

 

七里 聡(shichiri satoshi)

1993年桜井株式会社に入社。

Webコンテンツ制作チームで日々デザイン業務と納期に追われる日々を送る。

焚火をこよなく愛し、ガラスの腰に鞭打って炎を愛でるのが至福の時間。




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